「一棟まるごとリノベーションマンション」。これは東京23区内にあるマンションの看板広告(上写真)だ。

もともとは1989年に建設された個人所有の物件だったが、2年前に所有権が都内のデベロッパーに移転した。内装や設備にリノベーション(リノベ)を施し、再び分譲されている。最寄りの駅まで徒歩で10分弱。ある部屋は広さ60平方メートルで約4000万円と、周辺の相場と比べると値頃感がある。

大手が相次ぎ参入

こうした中古マンションの取り扱いが今、不動産業界で人気を集めている。

仲介とは異なり、デベロッパー自ら区分や1棟単位でマンションを取得し、リノベで付加価値を高めて販売する。リノベは床や壁の張り替えや水回りの工事といった簡易的なものから、間取りやデザインを大胆に変えるものまでさまざまだ。

この手法は「買い取り再販」とも呼ばれ、近年は大手デベロッパーの参入が相次ぐ。2013年に三菱地所レジデンスが新規参入を表明し、東急不動産は15年に同社初の1棟リノベマンションを販売。06年竣工のタワーマンションを取得し、内装に手を加えたものだ。

その後も17年に野村不動産、翌年に三井不動産レジデンシャルが本格参入を表明。今や大手新築マンションデベロッパーのほとんどが、買い取り再販を手がけるようになった。