ゴーン氏解任に続き、西川氏が9月に引責辞任。新経営陣が日産の未来を担う(撮影:今 祥雄)

「決まってみれば、仏ルノーの意向に最大限配慮した顔ぶれだ」。日産自動車が10月8日に発表した来年1月からの新体制メンバーについて、ある日産幹部はそう解説する。

不正報酬問題で辞任に追い込まれた西川廣人前社長兼CEO(最高経営責任者)の後任として、中国事業を統括する内田誠専務(53)がトップに昇格。COO(最高執行責任者)には三菱自動車のアシュワニ・グプタCOO(49)が就く。副COOとなる関潤専務(58)を含めた新たな「トロイカ体制」は、対立回避を優先した日産とルノーが妥協を重ねた末の折衷案だった。

6月に指名委員会等設置会社に移行した日産では、社外取締役が過半を占める指名委員会が経営トップを選ぶ。元経済産業審議官の豊田正和氏を委員長とする指名委は、西川氏が1〜2年内に退任する前提で7月から候補者選びに着手。その時点で100人いた候補者は、西川氏の電撃辞任が決まった9月9日には6人までに絞られていた。

日産社内では、西川氏辞任を受けてCEO代行を務める山内康裕氏(63)に期待する声も多かった。山内氏がひとまず正式なCEOに就き、1〜2年後に次世代に引き継ぐ構想だ。しかし、指名委は「新生日産」のイメージを重要視し、若返りを選んだ。

山内氏は西川氏とともに日産経営の独立性を強く主張してきた経緯があり、ルノーから敬遠された。そのうえ、「山内さんは報酬問題で西川さんに引導を渡した人物。それで当面の西川続投シナリオを狂わされた豊田委員長からも疎まれてしまった」(日産関係者)。