(tsukat / PIXTA)

「6年半の有料老人ホーム生活で、母の貯金は2000万円から700万円まで減った。これはまずいと思った」。87歳の母親を介護する都内在住の50代の女性、Aさんはそう振り返る。

Aさんが母親の様子に違和感を覚えたのは7年前。専門病院で認知症と診断され、介護保険の利用を申請すると「要介護2」と認定された。「制度に詳しくなくて、要介護と認定されたら、とにかく有料老人ホームを探すしかないと思い込んでいた」(Aさん)。

半年ほどかけて検討し、大手事業者の運営する介護付き有料老人ホームへの入居を決めた。入居時にかかる一時金も100万円程度で、「今後も資金面で問題が生じることはないだろう」と踏んでいた。

ただ、実際入居してみると何かと物入りだった。レクリエーション費用など諸経費も加えると、月額費用は30万円超。年金収入は月17万円程度あったが、月々15万円前後は貯金を取り崩した。

2年前に母親が「要介護3」と認定されたのを契機に、特別養護老人ホーム(特養)など費用の割安な次の施設を探し始めた。ほとんどの特養は100~300人待ちだとされたが、遠方の1施設のみ空きがあり、無事転居できた。

移った施設も個室で、介護の質は前と同等以上と感じたが、月額費用は9.5万円と約3分の1だ。「施設によってこんなに差があるとは知らなかった。長寿家系なので、あのまま元の施設にいたら早晩蓄えが尽きていた」(Aさん)。

要介護3が目安に