「新たな消費増税は10年程度必要ない」と言う安倍首相。無理な給付削減につながらないか、不安も(撮影:尾形文繁)

安倍晋三政権は9月、省庁横断の「全世代型社会保障検討会議」を発足させた。年末の取りまとめと来年の法改正に向け議論を加速させており、そこには介護保険での給付と負担の見直しも含まれる。介護をめぐるお金は今後、どう変わるのだろうか。

過去20年で3倍強に

介護保険は2000年度にスタート。初年度3.6兆円だった介護費は、制度の普及と高齢化の進展により、19年度には11.7兆円と3.3倍に膨らんだ。

財源負担の構造は図表1のとおりだ。一部の高所得者を除き、利用者負担は原則1割。それ以外の介護費は公費(税金)と保険料で半分ずつ負担し、保険料は第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40~64歳)により拠出される(第1号と第2号の負担割合は被保険者数比率で決定)。

[図表1]

制度が発足した00年度から19年度にかけての変化を見てみると、高齢者が支払う第1号保険料は月2911円から5869円(全国平均)と2倍に、主に現役世代が健康保険料や国民健康保険料と一緒に納める第2号保険料は2075円から5723円(1人当たり負担額)と2.8倍に拡大している。

将来の介護費や介護保険料の伸びはどうなるか。長期の将来見通しについては、介護費は金額ではなく、物価や賃金の上昇の影響を除いた対GDP(国内総生産)比で考える必要がある。政府の推計によれば、40年度の介護費の対GDP比は3.3%と、18年度の1.9%に比べ1.7倍になる見通しだ。第1号・第2号保険料の実質負担は40年度に向け、ざっと1.7倍増える。