AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)デバイスでトラックドライバーを守る。それが日立物流の開発したクラウドサービス「スマート安全運行管理システム」(SSCV)だ。独自の最先端システムで、ドライバーの健康と運転を管理する。

物流業界が抱える深刻な問題の1つがドライバーの高齢化だ。厚生労働省によれば、2018年の営業用大型貨物自動車運転者の平均年齢は48.6歳、産業全体の平均よりも5.7歳上だ。高齢化に伴って、ドライバーの健康状態に起因する事故も増えている。国土交通省によれば、健康状態に起因する事故は17年度に298件で、13年度に比べ、2倍以上に膨らんだ。

そうした事故を未然に防ぐためにSSCVは開発された。開発を統括する執行役専務経営戦略本部長の佐藤清輝氏は「東日本営業本部長時代、運転に集中できていない“漫然運転”による事故が頻発した。原因はドライバー本人も気づかない慢性疲労にある。点呼時の健康確認や面談では見えてこないため、科学的なアプローチによる対策が不可欠だった」と振り返る。

これまで物流の現場でも、運転前の点呼時にアルコール検査や体温測定などは行っている。ただし「台帳に記入するだけでデータを活用できていなかった」(佐藤氏)。そこでSSCVは、測定機器のデータをクラウドと連携させ、ドライバーの生体情報を集約するシステムを構築した。