無電化地域のランタン配布「効果なし」の意外な結果 不利な環境にある無電化地域の子どもたち

✎ 1〜 ✎ 37 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 最新
拡大
縮小

開発途上国の農村部に住む貧困世帯はエネルギー源を、木材、牛ふん、農業残渣(ざんさ)などのバイオマスや、ろうそく、灯油などに頼っている。こうした燃料は安価ではあるものの、室内の空気を汚染し、健康被害(呼吸器や目の疾患、燃料爆発によるやけど)を引き起こしやすい。

また貧困世帯の子どもは、夜間に勉強しようにも、ろうそくや灯油では十分な明るさを確保できないうえ、煤煙(ばいえん)の影響で勉強がはかどらない。

貧困世帯が適切なエネルギーを安く簡単に入手できるようになれば、親の貧困が子どもにそのまま引き継がれる「負の連鎖」を断ち切ることができるかもしれない。

そうした点で、途上国の無電化地域では送電線によらない太陽光パネルを利用した携帯型のソーラーランタン(SL)が注目され、その利用が広がっている。

SLによって、子どもが夜に勉強でき成績が上昇し、健康状態も改善できれば、社会的な意義は大きい。そうした好影響が見られるのならば、SLの購入に補助金を与えるなどの方策も考えられる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内