きうち・たかひで 1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

FRB(米連邦準備制度理事会)は、9月17・18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加緩和を決めたが、まさにその最中に、米国の短期金融市場は大きな混乱に見舞われていたのである。

FOMC初日の17日に、債券を担保に短期資金を調達する際の金利であるレポ金利(翌日物)は、一時10%にまで急騰した。短期金融市場の混乱を受けて、ニューヨーク連邦準備銀行は17日から連日、大量の資金供給を余儀なくされた。

中央銀行の当座預金の水準は、日々の資金需給によって変化する。だが、リーマンショック後にFRBが銀行から大量の資産を買い入れる量的緩和策を採用したため、銀行の中銀当座預金(超過準備)は極めて高水準、つまりカネ余り状態となった。そのため、日々の資金需給の変化によって、銀行の資金調達に支障が生じることは、今まではなかったのである。