貧困の連鎖という格差の固定化が米国では社会問題になっている(ロイター/アフロ)

米国の格差対策が、新しい局面を迎えている。膨大なデータを使った研究により、親の貧困を子どもの世代へ受け継がせない方法が明らかになり、政策でも効果を上げつつある。

米国では格差の固定化が問題視されてきた。先進国の中でも、貧しい家庭に生まれた子は成人しても貧しいままであり、裕福な家庭の子は高い年収を得るようになりやすい国だからである。

格差の固定化に立ち向かう手がかりとして注目されているのが、ワシントン州のシアトル市周辺で進められているプロジェクトだ。2018年に始まった同プロジェクトは、貧しい家庭を対象に子が成功する可能性の高い地域への転居を支援している。転居に成功した家庭の子は、転居しなかった場合と比較して、20万ドル以上も高い生涯年収を得られる可能性があるという。