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開発リソース不足は深刻、ホンダの独立独歩は限界か 相次ぐ人材流出

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社内のエンジニアは足りず、系列部品メーカーにも頼れない。

三部敏宏研究所社長(右)との連携を強調する八郷社長(左)

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「私がいた部署では、今年に入って私を含めて4人が辞めた」と語るのは、30代の元ホンダ社員。研究開発子会社の本田技術研究所に配属され、先進安全領域の開発に携わっていた。この部署が特別ではない。今ホンダの開発現場では、若手を中心に退職者が相次いでいるという。

近年、自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の対応を迫られている。このため各自動車メーカーは、従来主流だったエンジンや機械などの技術者ではなく、コンピューターや人工知能(AI)などのソフトウェアに精通したエンジニアを確保しようと 中途採用に力を入れている。

ホンダの中途採用も急増している。2018年度は676人を採用した。これはトヨタ自動車の66人を大きく上回る水準だ。東芝、パナソニック、NECといった電機業界などから、毎日のようにエンジニアが入社しているという。

もっともホンダの中途採用の募集要項を見ると、先進運転支援や電動化はもちろん、エンジンやボディー設計などの既存領域でも幅広く人材を募集している。冒頭のような人材流出の補充を迫られているのかもしれない。

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