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米中の間で揺れる韓国、夢は「自主外交」の確立 中国になびくわけではない

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文在寅政権が標榜する自主外交。この言葉には危険な響きが伴う。

今年6月、大阪でのG20で撮影に臨む中韓のトップ(代表撮影/ロイター/アフロ)

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2019年8月、韓国が日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を発表した際、最も驚いたのは米国だった。一方、日本政府、とくに首相官邸では「おそらく破棄するだろう」という見方があった。GSOMIAは日米韓での軍事情報の共有の枠組み。同盟の中心である米国は、韓国が協定破棄に踏み切るとは想定していなかった。

韓国は、破棄が米国との同盟関係を毀損するものではないと考えた。ところが韓国はその後、米国政府から発表される「遺憾」や「失望」という声に驚くことになった。

在韓米軍をはじめ、韓国における米国の存在感は強い。それでも、経済面を中心に中国の存在感が増している。とくに輸出依存率の高い韓国にとっては、輸出先は中国がトップで輸出全体の4分の1を占める。

だからといって韓国が中国側に一気にすり寄るということはない。韓国は資本主義国であり、米国とは同盟関係にあるという現実は揺るがない。韓国軍の戦時作戦権は今でも米軍が持っている。中国は社会主義国であり、国の体制がそもそも違う。朝鮮戦争では銃火を交えたこともある。

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