競合のアルツハイマー病治療薬の開発が相次ぎ挫折する中、エーザイの内藤晴夫CEO(写真)は強気の姿勢を貫いてきたが…(撮影:今井康一)

国内製薬大手のエーザイが窮地に立たされている。同社は9月13日、アルツハイマー病(AD)治療薬「エレンベセスタット」の開発を中止すると発表したのだ。

同薬の開発は、最終フェーズの臨床試験(治験)第3相へと進み、2100人の患者を対象に治験を行っていた。しかし、その途中データを基に有効性や安全性を審査する第三者専門委員会から、「本試験を継続しても最終的にベネフィットがリスクを上回ることはない」と勧告され、臨床試験の継続を断念した。

競合薬も軒並み頓挫

エーザイは米製薬大手バイオジェンと共同で3つのAD治療薬の実用化を目指し、いずれも治験第3相まで進んだ。が、今年3月、その1つで途中データが芳しくなかった「アデュカヌマブ」の開発中止を発表。さらに今回、2つ目も“消滅”したことになり、AD治療薬開発に社運を懸けてきたエーザイにとっては大打撃だ。同社は残る「BAN2401」に希望を託す。

認知症患者は現在、全世界で5000万人に上るといわれるが、今ある認知症薬は症状を少し緩和するだけのものでしかない。認知症の6割を占めるADの根治薬の実用化に成功すれば、「画期的な新薬」として、最初の開発メーカーには莫大な収益が転がり込む。