サウジアラビア当局は石油設備の攻撃に使われた兵器の残骸を公開。イランの関与を主張した(AFP/アフロ)

中東の変事は瞬く間に世界中に伝わり、原油市場を大きく揺さぶった。9月14日、世界最大の原油輸出国サウジアラビアの中核的な石油生産設備が、攻撃され黒煙に包まれた。

標的になったのはサウジの東部に位置するアブカイクの設備で、同国最大の油田から産出された原油を前処理する拠点だった。国営石油企業のサウジアラムコによると、攻撃によって一時的に日量570万バレルの生産能力が失われた。これはサウジの原油生産能力の6割近い量だ。

不測の事態を受け、ニューヨークのWTI原油先物価格は13日の1バレル=54.85ドルから約15%上昇し、16日に62.9ドルをつけた。短期間の上昇率としては数十年ぶりの高さとなった。

損傷を受けた設備は数週間程度で復旧するとの見通しをサウジアラムコが示したことで、原油価格の急騰はひとまず収まった。だが、23日時点でのWTI先物価格は1バレル=60ドル弱で推移。攻撃主体が特定されておらず、原油市場が完全に落ち着きを取り戻したとはいえない状況だ。