9月12日の欧州中央銀行総会で「金融緩和パッケージ」を打ち出したマリオ・ドラギ総裁(ロイター/アフロ)

欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を決めた。「2%弱」のインフレ目標がいまだに達成できていないことを考えれば、確かに緩和は十分とはいえなかった。ただ、このタイミングで量的緩和を再開するのは間違っている。

まず、ECBが量的緩和策を導入した2015年3月に比べれば、ユーロ圏経済は改善している。企業の景況感を示す総合購買担当者景気指数(PMI)は当時と比べて悪くない。インフレ率も総合指数とエネルギー・食品を除くコア指数ともに当時の数字を上回っている。短期・長期金利に加え、銀行の貸出金利も大きく下がり、与信も伸びた。つまり、データを見る限り、量的緩和が必要な状況ではない。