もりた・ちょうたろう 慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

FRB(米連邦準備制度理事会)は9月、7月に続いて2度目の利下げを実施した。市場は「本当に金融緩和が必要なほど経済は減速しているのか」という疑問を抱きつつ、この数カ月間、FRBの行動を注視してきた。「世界経済の先行き不透明感への保険」というのがFRBの公式見解だが、それとは別に、トランプ政権からの圧力がこの行動に影響しているとの見方も有力である。

今年は7月に、トルコで大統領と意見対立のあった中央銀行総裁が更迭された。米国の利下げとトルコの件はもちろん何の関係もないが、トランプ政権によるFRB批判のトーンは時間とともに強まるばかりである。

2019年という年は中央銀行の「独立性」が大きく揺らいだ象徴的な年だったとして、後年、振り返られることになるかもしれない。