北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉が、ようやく動き出しそうだ。北朝鮮外務省は9月16日、米国担当局長の談話で「近い数週間内に開かれると予想される実務協商が朝米間のよい対面になることを期待する」と述べた。一方、米国では1人の男が外交の舞台から去った。ボルトン米大統領府安全保障担当補佐官である。

米朝交渉を進める際、北朝鮮が誰よりも嫌ったのがボルトン氏だ。「先に非核化、後に経済制裁解除・保障」という「リビア方式」の非核化を推進した人物だ。そんな彼は、「行動には行動」という相互方式による非核化を主張する北朝鮮にとって天敵と見なされていた。非核化の後、当時リビアの最高指導者だったカダフィ大佐の末路を考えると、そんな彼のやり方はとうてい受け入れられるものではないためだ。

トランプ大統領は、彼を解任した。北朝鮮はよほどうれしかったのか。「平壌訪問」を要請するとの内容をしたため、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は親書を送った。「不思議なほど仲がいい」(北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外務第1次官)というトランプ氏と金氏のあうんの呼吸に見えるが、もちろん解任には米国側の事情がある。