大正大学地域創生学部教授 小峰隆夫(こみね・たかお)1947年生まれ。東京大学卒。経済企画庁経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て、2017年4月から現職。日本経済研究センター理事・研究顧問も務める。著書に『人口負荷社会』『日本経済論の罪と罰』『政権交代の経済学』など。(撮影:尾形文繁)

政府は2014年度以降、地方創生に注力してきた。「自治体消滅論」で危機感は高まり、人口ビジョンと総合戦略を作り、15年度にはこれに倣って全自治体が地方版の人口ビジョンと総合戦略を策定した。

しかし残念ながら、地方創生が成果を上げているとはいえない。是正するはずだった東京への一極集中、地方からの人口流出は続き、地域経済は相変わらず疲弊している。地域を活性化することはそもそも極めて難しいが、政府の戦略の基本方向にも問題があったように思われる。ここでいま一度、基本方向を見直してみてはどうか。

第1に、現行の地方創生は基本的には政府・地方公共団体による計画主導型である。しかも、政府がまず総合戦略を示したため、各地方公共団体の総合戦略は、国と似たり寄ったりの金太郎あめになってしまった。国が戦略で示した「地方に仕事をつくる」「新しい人の流れをつくる」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」といった戦略の柱が多くの地域でそのまま登場しているのだ。