真面目にマリファナの話をしよう(佐久間裕美子 著/文芸春秋/1500円+税/221ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] さくま・ゆみこ/文筆家。1996年に渡米し、98年からニューヨーク在住。出版社、通信社などを経て2003年に独立。カルチャー、政治、社会問題など幅広いジャンルで、インタビュー記事、ルポ、紀行文などを執筆する。慶応大学卒業、イェール大学修士課程修了。

「ネットが生まれた時代に居合わせていたら、今ごろIT長者になっていたかもよ」。ある日酒場でそんな会話を耳にした。酔客の戯言ではあるが、草創期が可能性に満ちあふれているのは確かだ。そこには誰にでも成功できるチャンスがある。

あいにくインターネット革命はとうの昔に終わっているが、もしあのときの客に、いま米国を震源とした革命の波が世界に広がりつつあると教えてあげたら、いったいどんな反応を示しただろう。何しろそれは「マリファナ」をめぐる革命なのだ。

2014年にコロラド州が全米で初めて嗜好目的でのマリファナ使用を合法化したのをきっかけに、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州などが完全合法化へ舵を切った。その結果、いまマリファナ業界に莫大な資金が流れ込んでいる。シリコンバレーの超エリートやセレブが続々とマリファナ・ビジネスに参入しているのだ。マリファナ・ショップには行列ができ、デリバリー・サービスだってある。そこにはもはやアウトローやヒッピーのドラッグというマイナーなイメージはない。