9月17日午後、金融庁が日本郵便の保険募集業務に携わる役職員に送ったメールの文面

社内のメールをお借りして送信しております。突然のメールで失礼致します。既に、マスコミで報道されておりますように、この度、御社に金融検査を行うこととなりました。今後、金融検査への対応でご負担をお掛け致しますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

3連休明けの9月17日午後。「日本郵便本社・支社・郵便局において保険募集業務に従事される役職員の皆様へ」と題した電子メールが全国の郵便局員に届いた。差出人は金融庁総合政策局の主任検査官。金融庁が立ち入り検査中に検査対象者の全社員に向けてメールを送る、というのはきわめて異例なことだ。

「不適切募集以外も真摯に検証」

本メールには何が書かれているのか。金融庁主任検査官はまず今回の検査の観点や検証の方針を明確にした。

今回の検査におきましては、これまでマスコミで報道されているような、顧客本位でない保険募集が行われていたのではないかという観点を中心に、貴社の法令等遵守態勢や利用者保護管理態勢に加え、経営管理態勢等の全般を検証する方針です。

続けて、今回の検査は保険料や二重払いなど18万件強の不適切募集(日本郵便やかんぽ生命保険は「特定事案」と呼んでいる)に限らないことを以下のように宣言する。

また、報道されているような問題にかかる事実関係の確認はもちろんのこと、それ以外につきましても問題があれば、それらの真因がどこにあるか予断を持たず真摯に検証いたします。

この後に続く文章では、一転して「安心、信頼を礎として」「高い使命感を持って」などと日本郵政グループを持ち上げるかのような表現が見られる。一方で「真に顧客本位の業務運営」という表現は、「現在の運営態勢は真の意味では顧客本位ではない」という前提に金融庁が立っているとも読み取れる。また、「皆様と議論していきたい」という呼びかけは、監督官庁というよりはまるで経営トップであるかのような書きぶりである。

貴社をはじめとする日本郵政グループにおかれては、「トータル生活サポート企業グループ」を目指し、郵便局ネットワークの安心、信頼を礎として、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援するといった経営理念が定められています。このような高い使命感を持って、今後、貴社が真に顧客本位の業務運営を持続的に行っていくことができるよう、これからの態勢の方向性について、皆様と議論していきたいと存じます。

週刊東洋経済8月31日号特集「かんぽの闇 金融商品の罠」において、記者は「金融庁長官の『本誌やNHKの報道が端緒となりかんぽに報告徴求命令を行った』という言葉に嘘がないならば、膿を出し切るまで徹底的に調べ尽くしてほしい」という趣旨のことを書いた。今回、全国の郵便局員への一斉メールでも、「膿出し」という表現が出てくる。

皆様におかれましても、これまでの業務運営や態勢を今一度振り返り、問題があるとすればその膿を出し切り、組織一丸となって社会と地域、お客さまからの信用・信頼を一日も早く取り戻す機会と捉えていただければ幸いです。