8月30日、日本郵便の本社は全国の郵便局長に向けて「緊急指示」を出した。

指示書には「10月1日から、お客さま対応に支障がない範囲で、かんぽ商品の通常どおりの営業を段階的に再開します」と書かれていた。

添付された「お客さまへの対応要領」には、「10月1日からかんぽ営業を再開するとの報道を見たが、時期尚早ではないのか」「全件調査について、まだ、完了していない中で営業を再開しても大丈夫か」といった、まっとうな顧客からの想定質問が記され、「再発防止策を実施した上で(中略)段階的に通常どおりの営業を実施していくことと聞いています」など、説得力のない「模範回答」が書かれている。

これには多くの社員が驚いた。「本社はいったい何を考えているのか」「第三者委員会の調査は始まったばかり。なぜ再開を決めたのか」と、現場の郵便局員は動揺を隠さない。

日本郵便の内部資料。10月の営業再開に向け、顧客との想定問答を作成している

「再開するのは無理」

かんぽ生命の保険販売を代行している日本郵便で、不適切募集が発覚したのは6月下旬。保険料の二重払いなど、顧客の不利益につながる不適切募集(特定事案)は、わかっているだけでも約18万件ある。