8月、フランスで行われた主要7カ国(G7)首脳会議の最終日。トランプ米大統領は、一族がマイアミ近郊に所有するリゾート施設「トランプ・ナショナル・ドラル」を次回会議の会場にしようと提案した。「フロリダ州屈指の舞踏室(ボールルーム)」を備えた夢のような空間だという。またしても、メディアを使って“トランプ神話”を拡散しようとしたのだ。

自らの成功イメージを人々の脳裏にすり込むのに、トランプ氏はずば抜けた才能を発揮してきた。富をひけらかし、美女をはべらせ、名を上げる。このようにして存在感を高める手法を、トランプ氏は1983年までに完全に自分のものにしていた。米紙ニューヨーク・タイムズが同年に掲載した記事「トランプの帝国とエゴ」によると、同氏は当時すでに「世界の超富裕層が憧れるニューヨーク市の国際的な象徴」になっていた。

トランプ氏のプロレス好きは有名だが、“やらせ”を本物と思い込みたいファンが群がるのがプロレスというエンターテインメントだ。同氏はそうしたプロレスの演出術を自家薬籠中のものとし、あらゆる場面で自身の影響力拡大に利用してきた。それが高じてか、2007年には実際のプロレスでも場外乱闘のやらせに加わっている。