きうち・たかひで 1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

米国は8月5日に中国を為替操作国に認定した。これは、トランプ大統領がドル安志向を一段と強めたことを意味する。トランプ大統領は、貿易相手国が不当に通貨を切り下げた結果、ドルが歴史的な高水準にまで押し上げられ、これが米国に巨額の貿易赤字をもたらしていると信じている。

今後は、中国だけでなく日本や欧州などにも通貨切り上げを求め、また、通貨安につながる金融緩和の実施を控えることまで要求する可能性がある。

トランプ大統領は、当面は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げを通じたドル安誘導という戦略を維持するだろう。