人民元安の下、中国では金価格が大きく上昇した。写真は北京の貴金属店の店頭(ロイター/アフロ)

人民元の下落が急だ。8月26日、上海外国為替市場の人民元相場は1ドル=7.15元台をつけ、約11年半ぶりの安値となった。対日本円の下落幅はさらに大きく、訪日観光客の動向にも影響を与えそうだ。

中国では庶民の為替レートへの関心は高い。その背景には一党独裁の政治体制の下、政治要因で急変動する自国通貨への不信感がある。他通貨への交換に強い制約がある人民元で主な資産を持たざるをえない富裕層の潜在的な不安感はつねに存在している。

長く対ドルレートの防衛ラインとされてきた1ドル=7.0元を割り込み、さらに下落する予想も強い中、「この先どこまで落ちるのか」との戸惑いが広がる。上海で友人たちと顔を合わせれば、開口一番「人民元レートはこの先どうなると思うか」と尋ねられる。そんな雰囲気がある。