園遊会でのエリザベス女王。英国王室の園遊会には、一般国民が多く招待される(Press Association/アフロ)

「ここに、皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」

これは2019年5月1日の即位に当たり、徳仁天皇が「朝見の儀」で述べられたおことばである。

先の明仁天皇(現上皇)もまさに「国民に寄り添う」ことを第1に掲げ、30年に及ぶ在位を全うされた。そのことは16年8月の「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」の中でも言及されていた。

明仁天皇が美智子皇后(現上皇后)とともに築き上げた、俗に「平成流」とも呼ばれた新たな公務のあり方は、平成の時代になってとくに頻発した自然災害による被災者のもとへの慰問と、太平洋戦争での戦没者を国内外で追悼した慰霊の旅とに、とくに象徴的に表れているだろう。

とりわけ前者においては、被災者が暮らす体育館で、ひざをついて被災者と同じ目線で一人ひとりに話しかけ励まされる姿に、国民の多くが感銘を受けていたはずである。こうした姿は、昭和天皇の時代には想像もつかなかったことだ。