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平成の天皇が徹底した「国民とともに」の姿勢 戦地慰霊、企業視察で「平成流」を実践

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上皇は「旅こそ象徴天皇のあり方」として、ご訪問を大切にされた。

ともに並ばれ、静かに一礼されながら祈る──。上皇ご夫妻のご訪問は、そんなイメージが国民に深く残る。平成の時代は阪神淡路大震災や東日本大震災など大規模災害も多く、お2人は精力的に被災地を回り、被災者を慰められた。また、太平洋戦争の激戦地で命を落とした人たちを慰霊するため、長距離・交通不便をいとわずご訪問されたことは記憶に残る。

上皇ご夫妻のこれまでの足跡をたどってみよう。『旅する天皇』(竹内正浩著)によれば、「平成の30年間で、国内外のご訪問の距離が62万4321キロメートル、地球15周半」と集計している。

国内では全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会、国民体育大会秋季大会の「三大行幸啓」も各回、出席されている。平成の30年間で国内最多の訪問地は神奈川県の105回。次いで東京(23特別区以外)の84回、栃木県の38回と続く。神奈川県、栃木県にはそれぞれ御用邸がある。また八王子市には昭和天皇御陵があり、海外訪問の前には毎回参拝されていた。

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