日本の輸出管理強化を契機に、反日ムードが高まる韓国。GSOMIAの終了は、文政権の損得勘定では得だと判断され決められたものだ(AP/アフロ)

韓国政府は8月22日、日韓で結んでいた軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄(終了)を決めた。日本政府が7月に発表した韓国への輸出優遇措置の変更に対抗した措置だ。日韓の対立が通商分野だけでなく、安全保障分野にも広がったことになる。

GSOMIAは、米国を含め、日韓間で知りえた軍事情報は第三者に漏らさないという枠組み。北朝鮮を中心に東アジアの安保環境が緊張の度合いを増す中で、日米韓間のより早く、スムーズな情報共有の必要性が高まり、2016年11月に協定が結ばれていた。米国が深く関与する協定であり、韓国内でも破棄しないとみられていたため、今回の結果は驚きをもって受け止められている。

GSOMIAは米国から見ると、その役割がわかりやすい。日韓が収集した軍事情報は米軍のサーバーに集約される。日韓がGSOMIAを結ぶ前の米軍は、韓国がアクセスできるサーバーでは日本から得た情報を外し、日本のそれでは韓国からの情報を外すという煩雑な作業を行っていた。GSOMIA締結以降は、それぞれの情報を外すことなく、軍事秘密を日米韓で共有できるようになった。

とくに北朝鮮のミサイル情報に関して、この協定は極めて重要だ。最近も情報共有が有効に機能した事案があった。7月25日に北朝鮮が日本海に向けて短距離ミサイルを発射。これについて韓国の朝鮮日報が、「韓国軍は米国情報を含めて、日本からの情報によりミサイルの着弾地を修正、飛行距離を当初発表の430キロメートルから600キロメートルと射程を修正した」と報道、後に米軍も修正を行った。