自分を任命した米大統領に「敵」と呼ばれたFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は今、どんな心境だろうか。

8月22〜24日、世界の市場関係者が注目する年次経済シンポジウムが米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された。23日に講演したパウエル氏は、米国経済の堅調さを強調しつつ、ドイツ・中国など世界景気の減速やブレグジットなどのリスク要因を指摘。とくに「通商政策をめぐる不確実性」を新たな難題とし、「政策対応の手本となる先例がない」「金融政策は国際貿易のルールブックにはならない」と苦慮をにじませた。

当面の金融政策について同議長は、過去最長の11年目に突入した米景気の拡大を支えるため「適切に行動する」と述べ、約10年半ぶりとなった7月末の利下げに続く緩和を示唆した。当日のダウ平均株価は、中国による対米報復関税の報を受け安く推移していたが、同議長の発言でプラスに転じた。