今年3月、日本で行われた中国人バイヤーを招いてのライブコマース販売会の様子

「品質の高い日本製品は中国で人気がある」

よく聞く話だが、「日本製品ならば中国で何でも売れる」と考えるのは大間違い。匿名を条件に筆者の取材に応じてくれた中国市場に詳しいコンサルタントは言う。

「ある日本化粧品ブランドの中国マーケティングを手がけているが、目下苦戦している。国土が広い中国で、自社の商品を浸透させるのは容易ではない。中国の販売店と提携しようにも、知名度が低ければ足元を見られて、厳しい条件を突きつけられる」

「メイド・イン・ジャパン」に対する信頼があるとはいえ、売れるブランドは認知度が高い一部に限られる。中国で商品を浸透させるためには、たいへんな労力が必要だ。

中国に進出し、現地で成功している日本企業もあるが、それは長い下積みの賜物だ。1981年から中国に進出している資生堂、生野菜を食べる習慣がない中国で提案営業を繰り返したキユーピー、年2万回の試食会を現地で開催したハウス食品グループ本社、2000年代前半から中国に進出したユニクロのファーストリテイリング、そして無印良品の良品計画など、浸透しているのは一握りだ。

「中国ではKOL(キーオピニオンリーダー=インフルエンサー)マーケティングが効く」と宣伝する仲介事業者も多い。だが、たとえ高額の費用を支払って著名芸能人などを起用しても、ヒットする保証はない。また、瞬間的に得られた成功は転落も早い。

その典型がMTGだ。同社は多くのKOLを起用して美容ローラーブランド「リファ」をヒットさせたが、その人気も18年後半から急落。中国の子会社「MTG上海」で不適切な会計処理の疑いが判明するなど信頼は大きく揺らいでいる。

主婦バイヤーも続々登場