香港のデモ。ソーシャルメディアで反政府抗議が高まる一方で、中国からの圧力も増している(ロイター/アフロ)

人類は科学の多大なる恩恵に浴してきた。だが、科学を過信し、繰り返し大惨事を引き起こしてきたのも人類の歴史である。

かつて旧ソ連などで進められた集団農場は、その一例にすぎない。集産主義に基づき農業生産を飛躍的に向上させる企ては、反対に大飢餓の原因となった。理想都市を目指すトップダウンの都市計画があだとなり、都市が荒廃することもあった。このように科学を絶対視しつつ“上から目線”で行われる社会変革を、政治学者のジェームズ・スコット氏は「ハイモダニズム」と呼んで批判している。

歴史が教えるところ、ハイモダニズムの破壊力は権威主義的な政府が強国化政策をとるときに最大となる。ソ連の集団農場でいえば、陣頭指揮を執ったソ連共産党が権威主義化し、これに抵抗できる者は事実上いなくなっていた。