世界の危険思想 悪いやつらの頭の中(丸山ゴンザレス 著/光文社新書/740円+税/182ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile]まるやま・ごんざれす ジャーナリスト・編集者。1977年宮城県生まれ。著書に『アジア「罰当たり」旅行』(彩図社)、『世界の混沌を歩く ダークツーリスト』(講談社)などがある。人気テレビ番組「クレイジージャーニー」(TBS系)に「危険地帯ジャーナリスト」として出演中。

TBS系テレビ番組「クレイジージャーニー」に出演しているジャーナリスト、丸山ゴンザレスの著書だ。番組をご覧になった方ならばご存じかもしれないが、著者はさまざまな国の裏社会を取材してきた人物だ。  

本書は著者が取材した殺し屋や売春婦、ドラッグディーラーやジャンキーなどといった裏社会に生きる人々が、何を考えて犯罪という道を選び、行動するのかを考察した1冊である。著者自身が言及しているように、「思想」といっても体系だったイデオロギーのようなものではなく、犯罪者の思考を読み解くことに重点が置かれている。

本書は第1章から強烈だ。取材対象はジャマイカの首都にあるスラムに暮らす「現役の殺し屋」だ。現れたのは貧相な体格に暗く沈んだ目をした青年。取材を続けている最中に殺し屋の携帯電話が鳴る。相手はクライアント。なんと用件は殺しの依頼だ。しかも動機が「自分を振った女を殺してほしい」という、それだけだ。著者は衝撃を受ける。そんな理由で女を殺す? 戸惑う著者に殺し屋の青年は言う。「仕事だからな。俺の気持ちは関係ない」と。