いそざき・あつひと 1975年生まれ。ソウル大学大学院博士課程留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省専門分析員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員のほか、日本カジノスクール講師も歴任。総合旅行業務取扱管理者資格所有。共著に『新版 北朝鮮入門』など。(撮影:今井康一)

観光は合法的な外貨獲得手段。ただ、最優先は体制宣伝

日本の隣国でありながら国交がなく、世界的にも閉鎖国家として知られる北朝鮮。そんな北朝鮮が観光客を積極的に受け入れ、経済成長のための主要産業として観光業を位置づけようとしている。はたして、北朝鮮観光とは。

北朝鮮と観光
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──日本人の大多数は、北朝鮮を観光できるとは思っていないのではないでしょうか。

そうでしょうね。とはいえ、2018年に北朝鮮は外国人観光者を約20万人受け入れた。中国人が最多ですが、欧州からは専門の旅行会社を通じて入国しているし、北朝鮮の敵対国である米国からの観光客もいます。

──日本からの旅行者はどれくらいですか。

昨年は360人ほどが訪問していることがわかっています。中外旅行社をはじめ専門の旅行会社もあり、今ではSNS(交流サイト)などを通じて積極的にPRしている会社もある。1990年代にはJTBや近畿日本ツーリストといった日本を代表する旅行会社が北朝鮮へのツアーを募集していたという実績もあるのです。

拉致問題もあり「北朝鮮は怖い」というイメージを持つ日本人は多く、そう感じる人は北朝鮮を旅行先としてまったく考えないでしょう。一方で、一度でも関心を持って訪朝した人の中には、リピーターとなる人も少なくない。