週刊東洋経済 2019年8/31号
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「郵便局員の制服を着ているだけで高齢者は安心して耳を傾けてくれる。話さえ聞いてもらえればこっちのもんだ」

商品先物会社から転職した郵便局員は周囲にそう漏らしているという。前職では相手に話を聞いてもらうこと自体が難しかったからだ。

この局員はかんぽ生命の保険募集で高い実績を上げ、上司からの信頼も厚い。ほかの局員が営業のコツを尋ねると、「こういうふうに話せば一丁上がり。簡単でしょ? 試してみれば?」と気さくに教えてくれるのだそうだ。

「まるでゲームのようだった」、元局員は現役当時をそう振り返る。「契約獲得は高齢者を騙(だま)すゲーム。周囲の局員が血眼になり、感覚がマヒしていくのがわかった。怖くなって郵便局を昨年辞めた」。かんぽで発覚した膨大な数の不適切募集。それは、郵便局が誇る絶大な信用力と悪質な営業の組み合わせで生み出された。

大きな罠が潜んでいるのはかんぽだけではない。外貨建て保険や投資信託などにも落とし穴がある。あなた自身、そして、離れて暮らすあなたの親は大丈夫だろうか。郵便局や金融機関の勧誘で、知らぬ間に騙されているかもしれない。

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