熱を帯びるラグビーワールドカップ商戦 観光客のハートをつかめるか

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開幕が迫るラグビーW杯。インバウンド特需を狙う動きも活発化している。

W杯前哨戦の「パシフィック・ネーションズカップ」では米国を破って日本が優勝。故障していたリーチ・マイケル主将(中央)の復帰で、懸念されていたディフェンス面も改善。念願のベスト8進出へ期待が高まっている(AFP=時事)

「ンコスィスィケレーリーアーフリカ……」。アジア初の開催となるラグビーワールドカップ(以下、W杯)の試合会場、埼玉の熊谷ラグビー場に、8月17日、市民らによる南アフリカ国歌の大合唱が響き渡った。同日の最高気温は36.8度。約400人の参加者は、熊谷の代名詞ともいえる「暑さ」の中で声高らかに歌い上げた。

9月20日の開幕戦が迫る中、試合会場のある全国12の都市は受け入れ態勢の準備を急いでいる。

熊谷で実施されたのは9月6日に同ラグビー場で行われる日本対南アフリカのテストマッチに備えた国歌の練習イベント。対南ア戦は日本代表にとってW杯への調整が順調かどうかを確認する大事な試合だ。国歌の練習に参加した公務員の男性(54)は「(前回2015年大会に続いて)南アを再び撃破し、勢いに乗って本番に臨んでほしい」と日本代表にエールを送る。

「海外チームの代表選手に対する最高のおもてなし」と位置づけられた大合唱は、「スクマム!クマガヤ」というスローガンの下に立ち上げられたプロジェクトの一環だ。「スクマム」はラグビーの「スクラム」と熊谷を組み合わせたもの。そこには市民一体となって地元で開かれるW杯を盛り上げよう、との思いが込められている。

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