日本の製造業のお家芸である工作機械業界は受注低迷で先行き不透明な状況にある

景気の先行指標である工作機械の受注低迷が深刻だ。業界団体の日本工作機械工業会(日工会)が8月13日に発表した7月の受注額(速報値)は前年同月比33%減の1012億円と大幅に減少した。

前6月の受注額は「巡航速度ライン」とされる1000億円を32カ月ぶりに下回り、日工会の飯村幸生会長(東芝機械会長)が「(低迷の)長期化を覚悟しないといけない」と指摘していた。7月の速報値はかろうじて1000億円を上回ったものの、10カ月連続の前年割れに明るい兆しは見られない。

工作機械はスマートフォンや半導体、自動車などさまざまな製品を構成する部品を素材から削ったり、穴を開けたりして加工する機械だ。ファナックや安川電機、オークマなど日本企業が強い分野で、機械を造る機械「マザーマシン」と呼ばれるなど、あらゆるものづくりを支えており、製造業の設備投資動向を如実に反映している。

低迷の発端は米中貿易摩擦や中国の景気悪化だ。米中摩擦が激化した昨秋から世界の工場である中国の製造業が設備投資に慎重になり、日系各社の中国向け工作機械の受注が減速し始めたのが大きい。

もっとも、当初は楽観的な空気が漂っていた。今年初めには「中国はこれ以上落ちようがない」(オークマの花木義麿・当時社長)という見方が多く、半導体業界の設備投資回復や中国の景気刺激策によって「年半ばから秋口には回復していく」(複数の業界関係者)とみられていた。