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英中央銀行首脳に聞く「合意なき離脱」への備え インタビュー/イングランド銀行 副総裁 デイブ・ラムスデン

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Sir Dave Ramsden 1986年オックスフォード大卒。90年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学修士。英財務省の経済諮問委員長などを歴任し、2017年9月から現職。金融市場と銀行業界の監督を担当。金融政策委員会委員。

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「市場波乱でも金融システムは強靭。リーマン危機時とは違う」

切迫する「合意なき離脱」のリスク。英国の中央銀行はブレグジットの先行きや経済、金融市場への影響、対応策についてどう考えているのか。イングランド銀行(BOE)副総裁のデイブ・ラムスデン氏に聞いた。

──ブレグジットは英国経済にどんな影響を与えていますか。

まず、ブレグジットをめぐる不確実性によって、企業の投資が異常な低迷を続けており、成長率を抑制している。もう1つは、在庫積み増しの影響だ。当初の離脱期限だった今年3月末に向け企業が在庫を増やしたことが、1~3月期の成長率を実力以上に押し上げた。4~6月期にはその反動が逆に成長率を実力以上に抑制した。

しかし、基本的に英国経済の成長は続くと考えている。それは労働市場が底堅いためだ。失業率は3.8%と歴史的な低水準にあり、平均賃金上昇率は前年比3.5%とかなり高い。こうした好調な労働市場が、ブレグジットの不確実性によるマイナスの影響を補っている。今後、「合意あり」の円滑な離脱を前提に設備投資も改善し、英国経済は年率1.5%前後の成長を続けるとみている。

──「合意なき離脱」となったら、どうですか。英予算責任局は本格的な景気後退を見込んでいます。

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