昨年2月に訪中したメイ前首相は、習近平国家主席と「一帯一路」を通じた協力強化で合意(代表撮影/ロイター/アフロ)

ロンドンは大英帝国の時代から200年以上にわたり、世界最大の金融センターとしての地位を守ってきた。戦後、通貨ポンドが基軸通貨の地位をドルに譲るとともに衰退しかけたが、1950~60年代のユーロダラー拡大の波を捉えて復活した。80年代はグローバル化の中で「ビッグバン」と呼ばれる金融市場改革を進め、不動の地位を築いた。99年のEU(欧州連合)共通通貨・ユーロ誕生後は、英国が不採用ながらユーロの取引はロンドンに集中。伝統的な金融エコシステム(生態系)の強みが発揮されたためだ。

だが今、ロンドンはブレグジットという過去にない逆境に直面している。長年恩恵を受けてきた欧州の単一市場から抜ければ、財・資本・サービス・労働力という4つの自由移動が制約される。EU関連ビジネスは縮小する可能性が高い。問題は、これをどう補うかだ。

フィンテック|強さは日本の100万倍

ロンドンは世界でもニューヨークと並ぶフィンテックの都だ。英国内8万人近い従事者の3割近くがEU系移民と推定され、ブレグジットの影響が懸念されている。

ところが、今年前半の英国のフィンテック向け投資額は前年同期比で5割近く伸び、過去最高を記録した。最大の要因は、ロンドンに本社を置くソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資だった。

海外投資家の注目を集める要因の1つが、数あるインキュベーション(創業支援)施設の充実ぶりだ。その代表格である「LEVEL39」は、90年代に再開発された第2の金融街カナリーワーフにある。ビルの39階の同施設では、広いサロンでラフなスタイルの人々がリラックスした雰囲気で語り合っていた。

LEVEL39は第2の金融街カナリーワーフで最も高いビル(中央)に入居