「ユニコーンハンター」を自称するようになった最近の孫社長(撮影:今井康一)

2017年に運用を開始した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(以下、1号ファンド)は、ユニコーン(評価額10億ドル以上の非上場企業)のうちAI関連のベンチャー企業へ集中的に投資してきた。

ファンド規模は986億ドル(約10兆円)で、投資単位は「1口100億円が原則」とソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は言う。世界のユニコーンのうち82社に投資しており、コンテンツプラットフォームの中国バイトダンス、中国の配車アプリ大手である滴滴出行(ディディ)、コワーキングスペースを運営する米ウィーワーク(9月にも上場の見通し)と、評価額で世界5位以内に入る企業も投資先だ。

これほど多くのユニコーンに投資した例は過去にない。1号ファンドはサウジアラビアの政府系投資ファンド(PIF)などから集めた巨額資金を背景に、世界中のあらゆるユニコーンに出資できる唯一無二の存在といえる。社外取締役の柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長は、6月の株主総会で「今、すごくいいポジション(立ち位置)にある」と言った。

投資先のうち、米エヌビディアなど2社の株は売却済みで、米ウーバー・テクノロジーズなど5社が上場。「今年度内にあと5~6社上場する。来年度は10社くらい、再来年度はもっと増える」と孫氏は言う。上場後は全保有株を売却する場合もあれば、ほかの投資先との相乗効果を見込んで持ち続ける場合もある。