佐竹氏は呼吸器内科医として、現在も週1回の診療を継続している(撮影:梅谷秀司)

日本で初めての「治療用アプリ」が生まれようとしている。2014年創業のキュア・アップは現在、ニコチン依存症治療(禁煙治療)用のスマートフォンアプリを開発中だ。

これまでの治療法は、医薬品を処方するものと、医療機器を用いるものが主流だった。創業者で呼吸器内科医の佐竹晃太CEO(37)は、「アプリを使う第3の治療法として、行動変容を促す」と説明する。

仕組みはこうだ。最初の診察で医師がシステムに患者の情報を入力。患者はアプリをダウンロードし、病院や薬局で専用のパスコードと呼気中の一酸化炭素(CO)濃度を計測するIoTデバイスを受け取る。アプリにその日の気分やCO濃度などを入力すると、個々の状態に応じたアドバイスなどが表示される。例えば、「たばこを吸いたくなった」と入力すると、「ガムをかもう」「部屋の掃除をしよう」などと提案される。

「今までは医師と患者が接するのは1カ月に1回、5〜10分の診察だけだった。病院外でもアプリが適切なフォローアップをしていく」と佐竹氏は言う。

開発のきっかけは、米国の大学院に留学中、ソフトウェアによる治療の可能性を示す多くの研究に出合ったことだ。さらに日本では14年に薬事法(現薬機法)改正により、医療用ソフトウェアが薬事の対象となった。

来年の保険適用目指す