週刊東洋経済 2019年8/24号
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日本でも投資の「大型化」が進展

まさに活況だ。ベンチャー企業に投資マネーが殺到している。調査会社ジャパンベンチャーリサーチ(JVR)によると、2018年のベンチャーの資金調達額は3880億円。5年前の4倍以上に拡大し、リーマンショック前の水準を超えた。

1社当たりの調達額も増えている。「5年前は3億円で大型調達といわれた」(JVRの森敦子執行役員)が、18年は平均額が3億円を超えた。10億円以上調達した会社は80社に上る。

100億円規模で集める例も珍しくなくなった。直近では、8月6日にマーケティングデータ分析の法人向けクラウドサービス「b→dash(ビーダッシュ)」を手がけるフロムスクラッチが約100億円を調達。米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)やゴールドマン・サックス(GS)などが出資した。KKRはアジア向けに1兆円を投資するファンドを17年に組成。このファンドが日本のベンチャーに投資するのは初めてとなる。

ビーダッシュは、プログラミング知識がなくとも、業種ごとの目的に合わせてデータを簡単な操作で処理・加工できる点に強みを持つ。安部泰洋CEOは、「KKRやGSからは技術面を評価してもらったうえ、上場前に大きな投資をして成長するという考え方が一致した。今後は広告宣伝や開発投資、海外展開を進め、いち早くシェアを取っていきたい」と話す。

フロムスクラッチに出資するベンチャーキャピタル(VC)、DNXベンチャーズの中垣徹二郎マネージングディレクターは、「攻めの投資で赤字を出す中では、上場すると難しい経営を求められる。大型調達をしてビジネスモデルを磨いてから上場するという流れが広がっている」とみる。

リスクマネーが流入

ベンチャーが巨額資金を集めやすくなっているのは、ベンチャーに出資するVCにお金が集まるようになったことも大きい。