1ドル=7元の「壁」を突破して元安が進んだのは、中国による「為替誘導」なのか(AFP/アフロ)

米中間の対立が激化している。8月1日には、トランプ米大統領が中国からの輸入品ほぼすべてを対象に第4弾の制裁関税を9月から発動すると表明した。同8日に中国税関総署が発表した1~7月の貿易統計(ドル建て)では、中国の対米輸出が前年同期比で8%、輸入は28%減少したことが明らかになった。

追い打ちをかけるように、8月5日に米国政府は、中国を25年ぶりに為替操作国に認定した。25年前とは、中国が二重為替レートを一本化し、固定相場制の下で実質的に大幅な切り上げを行ったときである。当時と、為替レートの決定にかなりの程度市場取引の動向が反映されている現在とでは、基本的に状況が違う。それにもかかわらず為替操作国の認定を急いだところに、米国政府の余裕のなさが表れているといえるだろう。

為替操作国認定の背景には、制裁関税第4弾の発動が発表されて以来、1ドル=7元の「壁」を突破して元安が進んだのは、中国政府による通貨安容認の姿勢を示すものだと受け止められたことがある。中には、「このような元安は中国経済にとって大きなマイナスをもたらすものだが、米国に対する捨て身の攻撃に出たのだ」などとしたり顔で解説する人もいる。しかし、そういった見方に十分な根拠があるだろうか。