宿泊業界とコミュニケーションを重ね、信頼関係を築いてきた(撮影:今井康一)

旅行の予定が直前で変わり、予約していたホテルの取り消し料金が発生してしまう──。そんな場面で役立つ企業がキャンセルだ。

取り消しや解約を意味するキャンセル(cancel)を、売ることができるという意味の「can sell」へ言い換えた言葉が社名となっている。

サービスの中身は、宿泊予約の権利を個人同士で売買できるというもの。近年は料金が安い代わりに返金不可という宿泊プランも多い。急な予定変更で発生した取り消し料金を負担しないで済む。キャンセル側の取り分は15%の手数料だ。

宿泊施設からすると救済策があることで予約客ともめるリスクを回避でき、宿泊者の確保で食事などの付帯収入も見込める。予約の買い手も正規料金より安い宿泊プランを見つけられる。かつて映画関連のベンチャーに在籍していた山下恭平代表(33)は、「三方よしのサービスだ」と言う。

キャンセルは出品案件について、予約が本当に入っているか、名義変更できるかはもちろん、宿が特別に取り消しに応じていないかも確認する。売買価格は正規料金より高く設定できず、単純な転売はできない仕組みになっている。

山下氏は「そもそも予定変更で悩んでいる人を助けるのが目的のサービス。マイナスをゼロにするのが大切。転売屋を儲けさせるようなことはしたくない」と語る。