[六本木、虎ノ門/森ビル]起業家と投資家をマッチング

8月1日、東京・虎ノ門ヒルズの一角は起業家たちの熱気に満ちあふれていた。世界最大級のイノベーション創出機構・米ケンブリッジ・イノベーションセンターによる「ベンチャーカフェ」が開かれていたからだ。

サラリーマンや研究者、学生など多くの聴衆の前に居並ぶのは、ビジネスコンペを勝ち抜いたベンチャーの代表たち。自社のビジネスの紹介から資金調達手段まで、話題は多岐にわたった。

ベンチャーカフェは2009年に米ボストンで設立。以後、米セントルイスや蘭ロッテルダムなどに拠点を広げ、18年に日本に進出した。

その受け入れ先として手を挙げたのが森ビルだった。森ビルは虎ノ門を「国際新都心」と位置づけ、ベンチャーカフェを新たな産業創出の仕掛けにしようともくろむ。

ベンチャーに接触するデベロッパーは森ビルだけではない。虎ノ門に隣接する神谷町を拠点とする森トラストは17年、ベンチャー向けに総額200億円の投資枠を設定した。これまで11社に出資を行ったほか、静岡県伊豆市の自社リゾートの一部をベンチャーが開発した技術の「実験場」としている。

出資の狙いについて、森トラストの木原圭一・投資事業部グローバル・イノベーション戦略グループ専門部長代理は、「これまで不動産は立地と賃料でしか評価されてこなかった。だが、これからは入居するテナントにどれだけ多くの付加価値を提供できるかがカギになる」と語る。出資先は、生体認証によるセキュリティーの開発など本業に関わるものから、治療アプリや小型衛星までさまざまだ。

新技術の搭載も目的