企業価値が10億ドル(約1060億円)を超える未上場のベンチャーが日本でも増えている。メルカリに続くような大型上場は生まれるのか。大物ベンチャーたちの今を追った。

プリファード・ネットワークス

創業は2014年。「実現すれば社会的インパクトが大きい分野に次々と挑戦している」と、西川徹CEO(36)は語る(撮影:今井康一)

日本の未上場ベンチャーで今、断トツに評価が高いのが、AI(人工知能)を支える深層学習アルゴリズムを開発するプリファード・ネットワークス(PFN)だ。大株主にはトヨタ自動車、NTT、ファナックなど大企業が居並ぶ。提携先には米エヌビディア、米インテル、米マイクロソフトなど一流企業がズラリ。今年7月にはJXTGホールディングスから10億円を調達し、その時点の条件で計算すると企業価値はついに3000億円に達した。

事業の内容はややわかりにくい。自動運転、ロボット、がん検診、製造設備の効率化などさまざまな領域に深層学習を応用していく。業績や詳細な収益モデルは開示されていないが、現状は大企業を中心としたパートナーから得る研究開発費がメインの収入源のようだ。ただし、単なる開発の下請けではなく、「あくまで対等」(比戸将平執行役員〈37〉)と言い切れるところに強さがある。

250人の社員の9割はエンジニアで、天才プログラマーがごろごろいるとの評判だ。深層学習用の半導体や、それを組み込んだスーパーコンピューターの開発にまで乗り出している。