しが・としゆき 1953年生まれ。76年、大阪府立大学経済学部卒業、日産自動車入社。2005年代表取締役最高執行責任者、13年副会長を経て、15年6月に産業革新機構代表取締役会長。18年9月から現職。(撮影:風間仁一郎)
「次世代の国富を担う産業を育成・創出する」を基本方針に活動する官民ファンドINCJが、前身の産業革新機構から数えて設立10年を迎えた。今年3月までに計138件(LP投資除く)、総額1兆1395億円の投資決定をしたが、その取り組みは成功したのか。これからの官民ファンドの役割とは。志賀俊之会長が質問に答えた。

──設立10年。今も官民ファンドの役割は変わりませんか。

日本の企業開業率は5.6%に上がったが、欧米に比べまだ低い。ベンチャーキャピタル(VC)投資額の国際比較でも、2018年は米国9.5兆円、中国3.3兆円に対して日本は2000億円弱で少ない。1件当たりでも数億円の少額投資しかしていない状況だ。民間ではリスクの高い案件、あるいは量産化で多額の資金を必要とするところはまだ官民ファンドによる資金提供にニーズがある。