7月14日、ワシントンDC。米国の保守派が集った「国民保守主義」という会合に、米ぺイパルの創業者で投資家として有名なピーター・ティールの姿があった。約500人を前に演壇に立ち、聴衆にこう呼びかけた。

「バーニー・サンダースの主張する社会主義は自由を侵す。社会主義の問題点は、(国の)制度や機関などが持つ力に国自身が魅了されてしまうことだ。その結果、国は腐敗し、有害なものになってしまう」

自身をリバタリアンとして位置づけるティール。政府や社会制度からの自由を求め、経済面でも「規制のない自由な市場」を重要視するのがリバタリアンだ(→保守対リベラルという対立軸が変化しつつある」図参照)。彼らの主張は多岐にわたる。自由な資本市場や税制を掲げるのは当然だが、移民やLGBT(性的少数者)の権利も重視するのが、従来の保守主義との違いだ。要はどの分野でも、個人の自由を尊重し政府の介入をできる限り排除することを目指している。

リバタリアンから見ると、政府が大きな権限を持つ社会主義は、絶対に受け入れられないものだ。ティールは「民主主義においては、世の中の51%の人が賛成すればおおむね正当といえる。70~80%の人が賛成すれば、より正当といえる。だが、99.9%の人が賛成すればどうか。それは北朝鮮のような状況だ。そこまで極端でなくても、全体主義には異論が出ない。人々はその点を理解していない。だからこそ問題だ」と、社会主義への批判を繰り広げた。

ティールが登壇した会合には、ジョン・ボルトン米大統領補佐官なども 参加

左派の社会主義が若い世代の支持を集める一方で、右派を代表するリバタリアニズムも多くの賛同を得つつある。その象徴が世界最大の学生リバタリアン団体、スチューデンツ・フォー・リバティー(SFL)の躍進だ。