イラスト:髙栁浩太郎

ネットの片隅で仏教関係のネタを扱っている四国在住の「リアル住職」、略して“リア住”の蝉丸Pです。現職の住職の立場から、寺と墓について皆さんが関心のありそうな事柄をいくつかお話しします。法話の癖で文章が小咄(こばなし)風になる部分もありますが、ご容赦ください。

読者の皆さんも40代あたりになってまいりますと親御さんの葬儀が現実味を帯びた問題となってきますが、いざ葬儀となったらいったい何をすればよいのか、寺に頼むといっても、寺との付き合いは親に任せていたのでどうやって話を切り出せばよいのか、という悩みをネット上でよく見かけます。

寺サイドとしては、身構えず普通に聞いてくれればと思っていても、なじみがないので「聞きにくい」「何か失礼をしてしまいそうで」「高いお布施を要求されるんでしょ?」など、イメージ先行で心理的なハードルが上がっているらしく、よくわからないまま放置していたら不幸が起きて、突然、寺と関わることになってしまい……というパターンが多いようです。寺にまつわる基礎的なことを知っていれば、いざというときに慌てずに済むかもしれません。

寺ってどんなところ?

寺が現在のような葬儀や法事をメインに行うようになったのは江戸時代の「寺請制度」からです。江戸幕府はキリスト教を締め出すため「地域の寺の檀家にならないと社会的な権利を認めない」という宗教政策を取りました。寺は「人別帳」という、現在でいう戸籍のような文書の作成と保管の役割を担いました。それだけでなく寺は幕府の出先機関としての性格を持ち、寺子屋などで初等教育を行ったり、葬儀・法事などの祭祀を執り行ったりしました。