高齢化の進展を受けて、40年ぶりに相続法を改正した(写真は法務省、撮影:梅谷秀司)

今年7月、改正相続法が本格施行された。相続法の大幅な改正は1980年以来、実に約40年ぶりのことだ。

民法改正の背景には、家族のあり方が多様化し、少子高齢化によって、配偶者保護の重要性が高まっているという事情がある。

子どもがいる夫婦で夫が亡くなった場合、妻の相続分は2分の1、残りの2分の1を子どもの人数で分けることになる。子どもの人数が少なくなれば、相対的に子どもの相続分は増す。少子高齢化で子どもが相続する遺産は増えているのだ。

結婚した夫婦が最終的に何人の子を産むかという完結出生児数という統計があるが、57年の完結出生児数は3.6人、つまり、夫、妻、子ども4人というのがモデル世帯だった。

そうであれば、夫が亡くなった場合の子どもの相続分は、8分の1ずつとなる。だが2010年の完結出生児数は1.96人、つまり夫、妻、子ども2人というのがモデル世帯となる。そうなると子ども1人の相続分は、4分の1になる。子どもの人数が減ったことで、子どもの相続分は相対的に増えており、子どもの相続を保護する必要性も高くなくなっている。