アサヒが1.2兆円の買収、豪州を舞台にキリンと激突 カールトンの買収を親会社と合意

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成長を求め、海外で再び巨額買収。販売で相乗効果を出せるか。

アサヒが買収するカールトンは、豪州のビール最大手。「カールトンドラフト」はその代表銘柄の1つだ(AAP Image/アフロ)

国内ビール首位のアサヒグループホールディングスが、海外で超大型買収に踏み切る。7月19日、豪州最大のビール会社、カールトン&ユナイテッドブルワリーズ(カールトン)を買収することで、同社親会社のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI、ベルギー)と合意した。

2020年の年央までにABIからカールトンの全株式を買い取る予定で、買収金額はアサヒとして過去最大の1.2兆円にも及ぶ。巨額の買収資金を捻出するため、9000億円を金融機関から借り入れ、残りの3000億円は増資や劣後債発行で賄う。

今回買収するカールトン(本社メルボルン)は、「ビクトリアビター」や「カールトン」など数多くのブランドを有し、豪州のビール市場で4割のシェアを握る最大手メーカーだ。アサヒは12年から豪州でも「スーパードライ」を販売しているが、そのシェアは2%程度にとどまっていた。

実は、現地でカールトンに次ぐシェア2位は、キリンホールディングスが09年に完全子会社化したライオン。つまり、今後はアサヒとキリンという日本のビール2強が、傘下企業を通じて豪州の地でも全面対決することになる。

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