シカゴで開かれた社会主義者たちの会合には、約1800人が参加した

「労働者の力を結集しよう!」「1%の金持ちによる搾取を止め、99%のための経済に変えよう!」「国境を開放し、もっと移民を受け入れよう!」

7月4日の独立記念日を終えたばかりの米シカゴに、異様な熱気に包まれた一角があった。世界の資本主義をリードする米国で、資本主義に批判的な社会主義者たちが集合。「SOCIALISM2019」と題した会合を開き、約1800人が参加した。

会場では「マルクスの資本論入門」「民主主義と社会主義」といった理論的な内容から、「職場での労働組合の作り方」「米中関係の今をどう見るか」といった現実的なテーマまで、約90もの講演、勉強会を開催。新自由主義批判で知られる地理学者のデヴィッド・ハーヴェイ(ニューヨーク市立大学教授)は、「資本主義の本質は金持ちをより金持ちにするものだ。足元で進む技術革新によるAI(人工知能)の発展は、さらに格差を広げる。中間層のいなくなった社会で、経済はどう成長するのか。中間層の人々を結集し、エリートのための資本主義をやめさせるべきだ」と訴えた。

(上)会場ではマルクスの本などを販売。(下)「帝国主義」「労働問題」「反人種差別」などをテーマに勉強会や講演会を開く

会場を盛り上げようと、廊下では労働者の団結を呼びかける歌「インターナショナル」を演奏、アコースティックギターを囲むように参加者たちが合唱する。日本ではとうに忘れられた歌だが、ここで口ずさむ人の多くはミレニアル世代(1981~96年生まれ)を中心とした20~30代だ。

2002年から始まったこの会合は、「トランプ政権発足後の17年から参加者が急増した」と主催者のショーン・ラーソンは言う。ニューヨーク大学の博士課程に在学し、帝政ドイツを崩壊に導いたドイツ革命についての論文に取り組むラーソンを中心とした運営者たちの多くもミレニアルだ。