7月18日に会見したアスクルの岩田社長(右)。「すべてが不可解」と訴えた。提携解消を申し入れているが、ヤフーは「協議は不要」と応じない(撮影:風間仁一郎)

株主総会(8月2日)の約2週間前に突如表面化した、筆頭株主ヤフーによるアスクル社長退陣要求。岩田彰一郎社長への「クビ宣告」についてヤフーは、低迷する業績を理由に挙げる。この「岩田降ろし」の火種がくすぶり始めたのは昨年後半からだった。

ロハコをめぐる綱引き

2018年11月、ヤフーからアスクルに派遣されている輿水宏哲取締役が、アスクルの吉岡晃BtoCカンパニーCOO(最高執行責任者)と玉井継尋CFO(最高財務責任者)にヤフーの意向を伝えた。

「LOHACO(以下ロハコ)をヤフー社の直営店にしたい」「価格設定と品ぞろえの判断はヤフー社が握りたい」「ヤフー51%、アスクル49%で小売新会社を設立しロハコを移管する」、そして「新会社においては岩田社長を役員に入れない」というもの。ロハコは、ヤフーとアスクルが12年から共同で進めている個人向けネット通販事業だ。

翌12月、ソフトバンクの宮内謙社長(ヤフー取締役を兼任)、榛葉淳副社長、ヤフーの川邊健太郎社長、小澤隆生常務(肩書は当時。アスクル社外取締役を兼任)らの協議結果を、輿水氏が再びアスクルに報告。それは、「ロハコをアスクルから分社化する方向でアスクルに申し入れる」というものだった。

今年1月、川邊社長と小澤常務がアスクルを訪問。岩田社長らに、ロハコ事業のヤフーへの譲渡の可能性を検討するよう口頭で依頼した。アスクルが書面の交付を求めると、ヤフーは、「ロハコについてのご提案のお願い」と題した書面を出してきた。