観光客でにぎわう那覇市の国際通り。いつの頃からか、地元の人はあまり来なくなった

沖縄県那覇市の国際通り。その入り口の路線価が103万円/平方メートルと発表されたのは7月1日。前年比39.2%の上昇率は県庁所在地では全国1位。沖縄県全体の上昇率8.3%も、東京の4.9%を大きく上回り、2年連続の全国トップだ。

沖縄経済が熱を帯びている。ホテルやマンションも建設ラッシュだ。「インバウンド需要が経済を動かしている。失業率は改善し、所得水準も上がった」と、那覇市にあるシンクタンクの南西地域産業活性化センター・金城毅上席研究員は分析する。ただ足元では不穏な兆候がある。「過疎地でもないのにバスやトラックの運転手が足りなくなっている」(金城氏)。

県民の「足」が減便

国際通りの入り口から100メートルほど歩いたところにある県庁前のバス停。6月中旬、ここに1枚の紙が張り出された。「十分な運転手を確保できない」ため、運行本数を減らすという。ゆいレール以外に鉄道がない沖縄でバスは県民の「足」。交通インフラのひずみに「通勤時間が約1時間延びた」といった悲鳴が上がる。

運転手不足で減便するという案内が6月にバス停に張り出された

なぜ、県民の日常に支障を来す判断をしたのか──。減便した大手4社のうちの1社、那覇バスに問うと、担当者は深刻そうな表情で答えた。「ここ数年で運転手の数が激減した。(残った)運転手の心身の健康を考えると、減便は苦渋の決断だった」。